超音波探傷検査UTレベル3
超音波探傷検査UTレベル3 手順書解答

私が合格した23年度春期分の超音波探傷検査レベル3手順書の解答です。

圧力容器について解答しました。

ひとりでも多くの方が合格することを祈っております。

 

適用範囲; 本手順書は圧力容器長手継手溶接部の超音波斜角探傷試験に適用する。

準拠図書; JIS Z 3060-2002「鋼溶接部の超音波探傷試験」

        JIS Z 2344-1993「金属材料のパルス反射法による超音波探傷試験方法通則」

        JIS Z 2345-2000「超音波探傷用標準試験片」

試験技術者; 試験技術者は圧力容器およびフェライト系鋼の溶接部について十分な知識を有するJIS Z 2305-2001による

         UTレベル1以上の有資格者とする。ただし、試験結果の評価はUTレベル2以上が行う。

被検査材; 材質:SB480、板厚:60mm、直径:2400mm

        溶接方法:サブマージアーク溶接(裏はつり完全溶け込み溶接部)、開先形状:X開先

探傷器; パルス反射式Aスコープ表示探傷器とし、GE製USM35Xまたは同等の性能を有する機器とする。

      性能はJIS Z 3060付属書1の規定を満足するものとする。

探触子; JIS Z 3060付属書1の規定を満足する2Z14×14A60を使用する。ビーム路程が長くなることによる

      超音波の減衰、傾きを持ったきずの見落としを防ぐため周波数は2MHzとした。また屈折角はJIS Z 3060付属書4に

      従いt/D(%)により選定した。横割れの検出を目的とした探傷には2Z14×14A70を使用する。

試験片; 標準試験片:STB-A1(入射点の測定、屈折角の測定、測定範囲調整用)

      対比試験片:RB-41 No.3(エコー高さ区分線の作成、探傷感度調整用)

接触媒質; 濃度75%以上のグリセリン水溶液を使用する。

探傷時期; 遅れ割れの発生を考慮して溶接完了後24時間経過後および外観検査が完了してから探傷を実施する。

        また被検査材が試験片と同程度の温度であることを確認すること。

測定範囲の調整; 測定範囲はSTB-A1を使用し、1.0スキップ以上1.5スキップ未満となるようにする。

探傷感度の調整; RB-41 No3の標準穴を使用してJIS Z 3060の図3に従いエコー高さ区分線を作成する。下位から3番目の

            H線に標準穴からのエコー高さを合わせ、これを探傷感度とする。ただし使用するビーム路程の範囲で

            L線の高さが10%以下にならないように感度調整を行う。ここで、曲率による感度補正はJIS Z 3060付属書4

            の図9より、2dB以下となるので行わないものとする。

探傷部位; 圧力容器長手継手溶接部

        仕様書図1のL-1,L-2,L-3,L-4溶接線

走査方法; 探傷は片面(圧力容器外面)両側から直射法および一回反射法で行う。探触子の走査はジグザグ走査とし

        探傷ピッチは7mm以下とする。必要に応じて前後走査、左右走査、首振り走査を併用してきずの見落としが

        ないようにする。横割れの検出を目的とした探傷では斜め平行走査を行う。このとき探触子の向きと溶接線が

        なす角が10°を超えないようにする。

欠陥の検出および分類; 検出レベルはJIS Z 3060によるL検出レベルとし、検出されたきずエコーについてはエコー高さ領域

                および指示長さでJIS Z 3060付属書7に従い1類から4類に分類する。

                横割れの検出を目的とした斜め平行走査では、L線よりも6dB低いL/2線を検出レベルとする。

欠陥指示長さの測定; きずエコーが最大となる探触子溶接部距離において左右走査し、最大エコー高さの1/2(-6dB)を超える

              探触子の移動距離を指示長さとする。このとき前後走査は行うが、首振り走査は行わない。

              長さは1mm単位とする。

              きずが複数あった場合はJIS Z 3060付属書7の規定に準ずる。

 

以上が私の解答です。もしかしたら誤字・脱字あるかも知れませんので修正して使ってください。

それでは皆さんの健闘を祈ります!